この記事では、4種の基本発注方式と2種の簡易発注方式について解説します。
在庫量を決めていく場面で必要な情報となりますので、どの発注方式を採用するか事前に検討しましょう。
対象品特性調査
発注方法について
発注は、発注をおこなう時期や、発注量の決定方法で、その方法が異なるので、それぞれ詳細を解説していきます。
定期・不定期発注
定期発注は、例えば毎月10日に発注するなど、一定時期に発注する方法です。
決められた発注日にだけ発注作業をすればいいので、工数は少なくて済みます。ただし、需要変動に弱く、在庫の過不足を起こし易い為、在庫量の適正水準の維持は難しい発注方法です。
不定期発注は、発注点管理ともいわれ、決められた発注点がきたら発注する方法です。
定期発注と比較し、在庫量の適正水準の維持はし易いです。ただし、日々、発注点到達を監視しなければいけないので、なんらかの工夫やシステム支援があるといいでしょう。
また、供給元との関係性や輸送方法等から、どちらかに固定されている場合が多く、変更も難しい場合があります。
定量・不定量発注
定量発注は、毎回100個で注文するなど、注文数が決まっている方法です。
計算等がいらないので工数はかかりません。ただし、需要変動に弱く、在庫の過不足を起こし易い為、在庫量の適正水準の維持は難しい発注方式です。
不定量発注は、発注時に必要量を計算し発注する方法です。
必要量は、現在庫数や出庫予定数や発注残等のデータを取得し計算で求めることができますが、大きな手間がかかるので、なんらかのシステム支援が必要となります。
また、不定量発注の不定量とは、1個からではなく、供給元と取決めた発注単位や箱入数などを基準に何ロット、何箱で注文するか変動させることです。
基準発注方式
上記の4つの発注方法でマトリックスを組むと下図のように、4種類の発注方式が決まってきます。
導入の簡単な発注方式から、解説していきます。
①定期定量発注方式
一定時期に一定量発注する方式です。
導入の難易度は低いです。ただし、需要動向を考慮していない方式なので、在庫の過不足が発生し易いため、在庫量の定期的な確認や発注量のメンテナンスが必要です。
②不定期定量発注方式
発注点がきたら一定量発注する方式です。
発注点到達の監視に手間はかかりますが、定量発注なので発注自体は簡単です。
発注点は在庫置き場レベルで、かんばんや数取り表でも監視はできますが、発注忘れを防ぐためにはなんらかのシステム支援があるといいでしょう。
③定期不定量発注方式
一定時期に必要量を計算し発注する方式です。
必要量の計算には手間がかかりますが、一定時期のみなので工数計画が立てられます。
また、なんらかのシステム支援があれば工数は低減できるでしょう。
④不定期不定量発注方式
発注点がきたら必要量を計算し発注する方式です。
発注点到達の監視や必要量の計算に手間はかかりますが、需要変動に最も適している方式です。
確実にシステム支援が必要となります。
Aランク及びBランクの品物には、基準発注方式のいずれかを適用させましょう。
簡易発注方式
2種類の簡易方式を解説します。
ダブルビン方式
2箱用意し、1箱なくなったら、1箱発注する方式です。
不定期定量発注方式に含まれますが、発注タイミングを発注点ではなく箱単位とすることにより、発注点設定の手間を省くことができます。
また、見た目で発注点が判断できるので、管理しやすい方法ともいえます。
補充方式
出庫されたら、出庫分だけを発注する方式です。
不定期不定量発注方式に含まれ、最大値管理ともいえます。
発注点設定や発注量計算の必要がなく、管理しやすい方法ともいえます。
Cランクの品物に適用させましょう。
運用上の注意点
発注方式がきまったら、在庫量の計算に用いるため、下記の期間も設定しておきましょう。
・調達期間(発注リードタイム)
・発注間隔(定期発注の時のみ)
対象品特性調査まとめ
対象品特性調査の方法が分かったところで、下記ポイントを参考に、実際に調査してみましょう。
次回からは、在庫量の設定について解説していきます。
まずは、安全在庫の求め方から解説します。
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