この記事では、システム導入のポイントについて解説します。
また、システムに必要な機能などについても解説していきます。
システム導入
システム導入の目的
システム導入の目的は、なにが・いくつ・どこにあるのか把握できるよう、一元管理することです。
在庫情報の見える化がはかられ、必要な業務支援を実行できるようになります。
また、システムは業務の支援機能でしかないため、実際の現品管理や作業状況と適合させることが重要です。これは一般的に"情物一致"とも言われ、システム導入の成否に大きく影響します。
導入後は、誰でも在庫情報が見れたり、棚卸しの精度が高められたり、発注や出庫の自動化ができるなどのメリットが得られます。
システムの運用方法
システムは情報の入力により動き始めます。
入力方法は、キーボードやタッチパネルからの直接入力やバーコード読み取りによる入力などがあります。
在庫の流れを把握し、入力タイミングを決めていきます。このとき、作業フローを作成すると把握しやすくなります。
入力の方法やタイミングが決まったら、手順書等で入力のルールを決めましょう。
ルールは、作業のタイミングを含めて検討します。例えば、入荷した商品は検品・入庫作業終了後に入庫入力をするなど、情物一致をこころがけましょう。
システムの必須機能
システムを自作する前提で解説していきますが、既存のパッケージソフトの改修やフルスクラッチする場合にも参考にしてみて下さい。
①在庫数量管理
在庫数量を管理する機能
在庫数量は、膨大な点数を日々監視するので、商品毎・ロケーション毎などの抽出ができるようにしましょう。
在庫数量の算出ロジックは単純で、棚卸数から出庫数を減算し入庫数を加算していくだけです。ただし、在庫の推移が見れるように時間軸の導入の仕方が重要となります。
また、発注点到達が監視できるように、フラグ等で見える化された発注点管理機能も必要です。
②棚卸し
棚卸作業を効率化する機能
棚卸表は、現在数・棚位置・入出荷履歴等の情報が出力でき、作業に合わせ、商品毎・ロケーション毎などで抽出できるようにしましょう。
在庫量の基準値である棚卸数は、システム導入初期は何度も繰り返し計量するので、棚卸表の出力や棚卸数の更新が容易に実行できるようにしましょう。
また、個別に調整入力できる機能もあるといいでしょう。
③入庫管理
入庫予定を管理する機能
発注時に、入庫予定として登録できるようにしましょう。このとき、システムの入力方法やタイミング等が作業と適合するようにしましょう。
また、発注検討用に推奨発注量・納期等が出力される機能があるといいでしょう。発注量の算出には、現在在庫数や発注残、発注単位等の設定・計算が必要となります。
④出庫管理
出庫予定を管理する機能
受注時に、出庫予定として登録できるようにしましょう。このとき、システムの入力方法やタイミング等が作業と適合するようにしましょう。
⑤検品管理
入出庫時の検品作業を効率化する機能
入出庫時に、入出庫リストを出力する場合は、入出荷検査表として使用できるように、検査項目も追加し出力するといいでしょう。
入庫・出庫それぞれに、誰が・いつ・どのように検査しているのかを調査し、システムの出力内容やタイミング等が作業と適合するようにしましょう。
また、検査終了後に入出庫予定の確定入力をする機能もあるといいでしょう。
⑥返品管理
返品入庫を管理する機能
発注入庫とは別に、返品入庫の履歴が残せるような機能があるといいでしょう。
入庫時に、誰が・いつ・どのように検査しているのかを調査し、システムの入力方法やタイミング等が作業と適合するようにしましょう。
⑦マスタ管理
各種マスタ情報を登録・管理する機能
対象品目や、業務に適合した区分を登録できるようにしましょう。
例えば、在庫倉庫が2か所ある場合は、倉庫区分を設けたりします。
⑧在庫分析
在庫の統計情報を一元管理する機能
商品の売れ行きは変動しますので、合わせて在庫の持ち方も変わってきます。そこで、在庫の基礎データ(安全在庫・発注点・最大在庫・発注単位・発注リードタイム等)と、出荷量の時系列データが一元で見れる機能があるといいでしょう。
⑨システム連携
基幹システムと連携する機能
基幹システムと在庫管理システムが別のシステムの場合は、基幹システムの持つ情報(受発注情報等)を取り込む機能があるでしょう。
システム導入まとめ
システム導入後、下記ポイントを参考に、運用状況を確認してみましょう。
次回は在庫管理導入後の取り組みについて解説します。
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参考書籍
企業における在庫とは等の、管理者向けの書籍
在庫管理におけるシステムの立ち位置が解説されている良書です。