ous">

小さな在庫管理

在庫管理導入からシステム作成まで詳細解説!

システムの導入方法について詳細解説! [在庫管理導入#12]

在庫管理の設計と運用を一通り整えたあとは、業務の効率化と精度向上を目的とした「システム導入」を検討する段階に入ります。 第12回では、在庫管理システムの導入にあたって押さえておきたいポイントを整理し、導入前に確認すべき視点を解説します。

また、システムに求められる基本機能や、運用に合わせたカスタマイズの考え方についても触れていきます。 現場の実態に合ったシステムを選定することで、在庫管理の仕組みを持続可能な形で定着させることができます。

導入ありきではなく、「何を支援してほしいのか」「どこまで自動化すべきか」を明確にすることが、失敗しないシステム選定の第一歩です。 実務に根ざした視点から、在庫管理システム導入の考え方を整理していきましょう。


システム導入

システム導入の目的

システム導入の目的は、「なにが・いくつ・どこにあるか」を把握できるように、一元管理を実現することです。 これにより、在庫情報の見える化が進み、必要な業務支援をスムーズに実行できるようになります。

ただし、システムはあくまで業務を支援するツールであり、実際の現品管理や作業状況と適合させることが不可欠です。 このような運用の整合性は、一般に「情物一致」と呼ばれ、システム導入の成否を左右する重要な要素となります。

導入後は、以下のようなメリットが期待できます。
 ・誰でも在庫情報をリアルタイムで確認できる
 ・棚卸しの精度が向上し、作業負荷が軽減される
 ・発注や出庫の自動化が可能になり、業務効率が高まる

さらに、履歴管理やトレーサビリティの強化、業務の標準化、データ分析による改善活動など、システム導入によって得られるメリットは多岐にわたります。自社の業務規模や課題に応じて、段階的な導入を検討することが重要です。
 

システムの運用方法

システムは、情報の入力を起点として機能が動き始める仕組みです。入力が正確でタイミングが適切であれば、在庫情報の精度が保たれ、業務支援の効果も最大化されます。

入力方法には、以下のような手段があります。
 ・キーボードやタッチパネルによる手動入力
 ・バーコードやQRコードのスキャンによる自動入力
 ・ハンディ端末やスマートデバイスを活用した現場入力

まずは、在庫の流れ(入庫・保管・出庫)を把握し、どのタイミングで何を入力するかを整理しましょう。 このとき、作業フロー図を作成することで、業務全体の流れと入力ポイントが視覚的に把握しやすくなります。

入力方法やタイミングが決まったら、手順書やマニュアルを整備し、入力ルールを明文化します。ルールは、作業のタイミングと連動させて設計することが重要です。たとえば、入荷した商品は「検品・入庫作業が完了した後」に入庫入力を行うなど、現品の動きと情報の更新が一致するように運用しましょう。

このような「情物一致」を意識した運用は、システム導入の成否を左右する重要なポイントです。現場の実態に合わせて、無理のない形でルールを定着させることが、システム活用の第一歩となります。

システムの必須機能


システムを自作する前提で解説していきますが、既存のパッケージソフトの改修やフルスクラッチする場合にも参考にしてみて下さい。

①在庫数量管理  在庫数量を管理する機能

在庫数量は膨大な点数を日々監視するため、商品別・ロケーション別などで抽出できる仕組みが必要です。算出ロジックは棚卸数に出庫数を減算し、入庫数を加算するだけですが、推移を把握するには時間軸の導入が不可欠です。履歴管理により在庫変動の傾向や異常値の検知が可能になります。
また、発注点到達を監視するには、フラグやアラートによる見える化機能の整備が重要です。

②棚卸し  棚卸作業を効率化する機能

棚卸表は、現在の在庫数・棚位置・入出荷履歴などの情報を出力できる機能であり、作業内容に応じて商品別・ロケーション別などで抽出できるようにしておくことが重要です。
特にシステム導入初期は、棚卸数を繰り返し計測・修正する必要があるため、棚卸表の出力や棚卸数の更新が簡便に行える仕組みが求められます。
また、現場での誤差や調整に対応できるよう、個別に棚卸数を修正できる入力機能も備えておくと運用が安定します。

③入庫管理  入庫予定を管理する機能

発注時には、入庫予定として事前に登録できるようにし、システムの入力方法やタイミングが現場作業と適合するよう設計しましょう。これにより、在庫の先読みや作業計画がスムーズになります。
また、発注検討用に推奨発注量や納期が自動出力される機能があると便利です。発注量の算出には、現在の在庫数、発注残、発注単位などの設定と計算が必要となるため、これらの情報を正確に管理できる仕組みが求められます。

④出庫管理  出庫予定を管理する機能

受注時には、出庫予定として事前に登録できるようにし、システムの入力方法やタイミングが現場の作業フローと適合するように設計しましょう。これにより、出庫準備や在庫引当がスムーズに行え、誤出荷や在庫不足の防止につながります。
入力は、手動入力やバーコード読み取りなど、作業環境に応じた方法を選定し、運用ルールとして明確化しておくことが重要です。現品の動きと情報更新が一致するよう、情物一致を意識した運用を心がけましょう。

⑤検品管理  入出庫時の検品作業を効率化する機能

入出庫時に出力するリストは、入出荷検査表としても活用できるよう、検品項目を追加して出力できる設計が望まれます。
入庫・出庫それぞれに、誰が・いつ・どのような方法で検査を行っているかを把握し、システムの出力内容やタイミングが現場作業と適合するように調整しましょう。
また、検査終了後に入出庫予定を確定入力できる機能があると、情報の整合性が保たれ、情物一致の精度向上にもつながります。

⑥返品管理  返品入庫を管理する機能

発注入庫とは別に、返品入庫の履歴を個別に記録できる機能があると、在庫管理の精度やトレーサビリティが向上します。
入庫時には、誰が・いつ・どのように検査を行っているかを把握し、システムの入力方法やタイミングが現場作業と適合するように設計しましょう。検品後の確定入力をルール化することで、情物一致の精度も高まります。

⑦マスタ管理  各種マスタ情報を登録・管理する機能

対象品目や業務に適した区分を登録できるようにしておくことで、管理の柔軟性と精度が向上します。
たとえば、在庫倉庫が複数ある場合は、倉庫区分を設定することで、拠点ごとの在庫状況や入出庫履歴を明確に把握できます。品目区分や用途別区分なども併用することで、業務に応じた抽出や分析が可能となり、運用効率が高まります。

⑧在庫分析  在庫の統計情報を一元管理する機能

商品の売れ行きは変動するため、それに応じて在庫の持ち方も柔軟に調整する必要があります。安全在庫・発注点・最大在庫・発注単位・リードタイムなどの基礎データと、出荷量の時系列データを一元で確認できる機能があると、在庫の適正化や発注判断がしやすくなります。

⑨システム連携  基幹システムと連携する機能

基幹システムと在庫管理システムが別々の場合は、受発注情報など基幹側のデータを在庫管理側に取り込める機能が必要です。これにより、在庫の引当や入出庫予定の連携がスムーズになり、二重入力や情報のズレを防止できます。システム間の連携は、業務の整合性を保ち、情物一致の精度向上にもつながります。
 

システム導入まとめ

システム導入が完了したら、以下のポイントを参考に、実際の運用状況を確認・検証してみましょう。

ポイント! ・初期棚卸しで在庫量や棚位置の整合確認
・入出庫データの入出力確認
・帳票類の出力確認

 

次回は、システム導入後に取り組むべき運用改善・業務定着・データ活用のポイントについて解説します。 現場での課題抽出や改善サイクルの回し方など、導入後の実践フェーズに焦点を当てていきます。
www.minizaiko.com

 

参考書籍
企業における在庫とは等の、管理者向けの書籍
在庫管理におけるシステムの立ち位置が解説されている良書です。