Excel VBAを使って業務改善をしてきたけれど、「ITの仕組みや背景をもっと体系的に理解したい」と感じたことはありませんか?
私自身、非IT系の職場でVBAを活用してきましたが、業務改善の視野を広げるために ITパスポート試験 に挑戦しました。
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中でも最も基礎的な国家試験であり、ITに関する幅広い知識を問われます。 非IT系の業務に従事している方でも、ITリテラシー向上や業務改善のために取得を目指す方が増えています。
今回は、実際に2か月で合格した体験をもとに、試験の概要・勉強方法・難易度・メリットなどをまとめました。これから受験を考えている方の参考になれば幸いです。
ITパスポート試験
ITパスポート試験とは
ITパスポート試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、ITの基礎知識を幅広く問う内容になっています。
IT職に限らず、事務職・営業職・企画職など、あらゆる職種で役立つ ITリテラシーの証明 として注目されています。
試験区分
ITパスポート試験は、IPAが実施するIT関連資格の中で最も初歩的なレベル(レベル1)に位置づけられています。

※基本情報技術者試験の記事はこちら
試験概要
試験時間120分で100問の出題となります。
合格点は1000点満点中、600点前後以上(問題の難易度により変動)ですが、正答率で言えば約60%以上が目安です。
問題数でみると、100問中、60問以上で合格ラインに到達します。
試験範囲は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野となります。
各分野で足切りがあり、各30%以上の正解率が必要です。
出題形式
ITパスポート試験は、全国の指定会場で実施されるCBT(Computer Based Testing)形式で行われます。受験者はパソコンを使って試験に回答します。
問題はすべて四肢択一式で構成されており、各設問に対して4つの選択肢の中から正解を1つ選びます。
CBT形式ならではの特徴として、試験終了後すぐにスコアが表示されるため、結果をその場で確認できるのもメリットです。
受験申込
ITパスポート試験は、希望する会場・日時を自分で選択して、申し込むことができます。受験料は税込7,500円で、クレジットカードやコンビニ払い、バウチャーなど複数の支払い方法が用意されています。ただし、人気の会場や土日枠は早く埋まる傾向があるため、勉強を始めた段階で早めに予約するのがおすすめです。
また、試験日を決めることで、学習のゴールが明確になり、モチベーションの維持にもつながりますので、早めに予約するようにしましょう。計画的な申込が、効率的な学習と合格への近道になります。
ITパスポート試験 難易度
ITパスポート試験の合格率は50~55%程度と言われています。
一見すると「半分以上が合格しているから簡単そう」と思われがちですが、実際にはしっかりとした対策が必要な試験です。テクノロジー、マネジメント、ストラテジといった3分野にまたがる知識が求められ、IT未経験者にとっては馴染みのない用語や概念も多く登場します。しっかりと試験の対策をしないと合格できないレベルとなります。
特に常識的な問題での取りこぼしを防ぐためにも、広く浅く知識を網羅する意識が求められます。合格率に惑わされず、計画的な学習を心がけることが合格への近道です。
ITパスポート試験 試験対策
テキスト
最新版を購入することを推奨します。
私の使用したテキストは、いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書でした。
文章中心で、過去問が充実しています。
こちらも解説が丁寧で、おすすめです。
イラストが多く、人気のテキスト。
勉強方法
① テキストを読む
テキストは約500ページでかなりボリュームがありますが、、まずは全体を流し読みし、概要をつかむことが大切です。2回目以降は章末問題を活用しながら、3回程度の読み込みを目安にすると理解が深まります。
私は、8週間で3回読み込み、章ごとの構成を把握し、必要なときにすぐ参照できるようにしました。
ストラテジ系・マネジメント系は社会人経験があれば常識的な内容が多く、得点源になりやすい分野です。一方、テクノロジー系は情報セキュリティー分野の出題率が高いため、重点的に繰り返し学習し、記憶の定着を図りました。分野ごとの特性を意識しながら、段階的に読み進めることで、効率的な理解と得点力の向上につながります。
② 過去問を解く
ITパスポート試験対策として、過去問演習は非常に効果的です。特に「過去問道場」は無料で使える定番サイトで、スマホやPCから手軽にアクセスできるため、スキマ時間の活用に最適です。
私はテキストの読み込みと並行して、項目ごとに過去問を解き、理解度を確認しながら学習を進めました。また、最新の出題傾向を把握するために、直近5年分に絞って集中的に解く方法もおすすめです。
過去問道場では分野別・年度別に問題を選べるため、自分の弱点を効率よく補強できます。繰り返し解くことで、出題パターンに慣れ、試験本番でも落ち着いて対応できる力が身につきます。テキストと過去問を組み合わせた学習は、理解と定着の両面で効果が高く、合格への近道となるでしょう。
勉強時間
私の勉強時間は約8週間で、総学習時間は約80時間でした。
社会人として働きながらの学習だったため、限られた時間をどう活用するかがポイントでした。
平日は通勤時間を活用してスマホで過去問を解き、1日1時間ほどのペースで継続。週末はテキストの読み込みや章末問題の復習に集中し、1日4時間ほど確保しました。これで、週に約10時間。これを8週で、約80時間となりました。
過去問と出題傾向
ITパスポート試験では、過去問と似た形式の問題が多く出題されるため、過去問演習が非常に有効です。問題文に引っ掛け問題は少なく、素直な設問が中心です。特にテクノロジーやマネジメント分野では、基本的な知識や常識的な理解が問われることが多く、丁寧に読み進めれば正答できる内容がほとんどです。
過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や頻出テーマが自然と身につき、合格ラインに近づけます。取りこぼしを防ぐためにも、広く浅く知識を網羅する意識が重要です。
資格取得のメリット・デメリット
メリット
ITリテラシーの体系的理解
実務で使っていたExcelやVBAの背景知識がクリアになり、セキュリティや業務改善の視点が広がる。
ITパスポート試験では、単なる技術知識だけでなく、企業活動や経営戦略におけるITの役割まで幅広く学ぶことができます。
実務でExcelやVBAを使っていた際には、「業務効率化」や「自動化」にフォーカスしていたかもしれませんが、試験勉強を通じてそれらが情報システム全体の中でどう位置づけられるか、セキュリティや内部統制とどう関係するかといった視点が得られます。
キャリアの信頼性向上
非IT職でも「ITに強い人材」として評価されやすくなり、就職や転職時にアピールできる。
ITパスポート試験の合格は、単なる資格取得にとどまらず、「ITの基礎を理解している」という客観的な証明になります。
非IT職であっても、業務改善や情報管理、セキュリティ意識などに関する知識を持っていることが伝わり、社内外で「ITに強い人材」としての信頼が高まります。
デメリット
試験対策に時間がかかる
出題範囲が広いため、暗記だけでは対応できないため、理解力が求められる。
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中でも基礎的な位置づけですが、出題範囲は非常に広く、単なる暗記では対応しきれません。
ストラテジ(経営・法務)、マネジメント(プロジェクト・サービス)、テクノロジ(ネットワーク・セキュリティ・データベース)といった分野が網羅されており、用語の意味だけでなく、その背景や関連性まで理解する必要があります。
ただし、体系的に学べる分、実務とのつながりが見えてくる楽しさもあります。VBA経験者なら「なるほど、こういう仕組みだったのか」と腑に落ちる場面が多く、学習意欲も維持しやすいでしょう。
まとめ
ITパスポート試験は、単なる資格取得ではなく「ITの基礎力を体系的に身につける」絶好の機会です。 実務でExcel VBAを使っている方や、非IT職でも業務改善に関心がある方には特におすすめです。
2か月で合格できたのは、計画的な学習と実務とのリンクを意識したからこそ。 VBAなどの実務経験がある方なら、ITパスポートは知識の整理と体系化に最適です。自分のペースで、着実にステップアップしていきましょう。
さらに一歩進んでITスキルを高めたい方には、「基本情報技術者試験」も視野に入れてみてください。ITパスポートよりも専門性が高く、アルゴリズムやネットワーク、セキュリティなど、より実践的な知識が問われます。ITエンジニアの登竜門とも言われるこの試験は、キャリアアップにも直結します。
詳しくは 基本情報技術者試験の解説記事 をご覧ください。
