Excel VBAを使って業務改善をしてきたけれど、「ITの仕組みや背景をもっと体系的に理解したい」と感じたことはありませんか?
私自身、非IT系の職場でVBAを活用してきましたが、業務改善の幅を広げるには、表面的な自動化だけでなく、ITの根本的な仕組みや考え方を理解することが必要だと感じるようになりました。
とはいえ、非IT職にとって「基本情報技術者試験」はハードルが高く感じるかもしれません。特に、VBAの知識だけではアルゴリズムやプログラミング言語(擬似言語)の分野に不安を覚える方も多いのではないでしょうか。私も最初は「午後試験なんて無理かも…」と思っていました。
それでも、3か月・約120時間の学習で合格できたのは、計画的な勉強と、VBA経験をうまく活かした学習法があったからこそです。
この記事では、基本情報技術者試験の概要から、非IT職でも取り組みやすい勉強法、午後試験対策、そして資格取得のメリットまで、実体験をもとに詳しく紹介します。
これから受験を考えている方の不安を少しでも解消できれば幸いです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、ITの基礎知識と実践的スキルを幅広く問う内容になっていて、ITエンジニアの登竜門となる試験といえます。
IT職に限らず、非IT職でも業務改善等でVBAを扱っている方なら、プログラムの基礎知識を有しているので充分に合格することができます。
試験区分
基本情報技術者試験は、IPAが実施するIT関連資格の中で基本的なレベル(レベル2)に位置づけられています。

※ITパスポート試験の記事はこちら
試験概要
試験は午前試験の「科目A」と午後試験の「科目B」の2種類の試験を同日に受験し、両試験で合格基準を満たすと合格になります。
「科目A」
試験時間90分で60問の出題となります。
試験範囲は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野で、合格点は1000点満点中、600点以上です。
問題数でみると、90問中、54問以上で合格ラインに到達します。
「科目B」
試験時間100分で20問の出題となります。
試験範囲はアルゴリズムとプログラミング・情報セキュリティーの2分野で、合格点は1000点満点中、600点以上です。
問題数でみると、20問中、12問以上で合格ラインに到達します。
出題形式
基本情報技術者試験は、全国の指定会場で実施されるCBT(Computer Based Testing)形式で行われます。受験者はパソコンを使って試験に回答します。
「科目A」
四肢択一式で構成されており、各設問に対して4つの選択肢の中から正解を1つ選びます。
「科目B」
多肢選択式で構成されており、各設問に対して4~10個の選択肢から正解を1つ選びます。
CBT形式ならではの特徴として、試験終了後すぐにスコアが表示されるため、結果をその場で確認できるのもメリットです。
受験申込
基本情報技術者試験は、希望する会場・日時を自分で選択して、申し込むことができます。受験料は税込7,500円で、クレジットカードやコンビニ払い、バウチャーなど複数の支払い方法が用意されています。ただし、人気の会場や土日枠は早く埋まる傾向があるため、勉強を始めた段階で早めに予約するのがおすすめです。
また、試験日を決めることで、学習のゴールが明確になり、モチベーションの維持にもつながりますので、早めに予約するようにしましょう。計画的な申込が、効率的な学習と合格への近道になります。
基本情報技術者試験 難易度
基本情報技術者試験の合格率はおおよそ45〜50%程度といわれており、国家試験としては中程度の難易度です。
ITパスポート試験に合格している方であれば、午前試験にあたる「科目A」は、しっかりと対策すれば合格ラインに到達できるでしょう。
ただし、注意すべきは午後試験にあたる「科目B」です。長文読解や擬似言語、アルゴリズムなど、VBA経験者でも戸惑う内容が多く、ここで不合格になるケースが少なくありません。特に非IT系の方にとっては、プログラミング的な思考や構造理解が求められるため、早めの対策が重要です。
基本情報技術者試験 試験対策
テキスト
最新版を購入することを推奨します。
「科目A」対策
私の使用したテキストは、いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書でした。
文章中心で、過去問が充実しています。
こちらも解説が丁寧で、おすすめです。
イラストが多く、人気のテキストです。
「科目B」対策
午後試験にあたる「科目B」では、プログラム(擬似言語)を読み解かなければいけません。
このテキストはトレースの手法が丁寧に解説されています。
長文読解やアルゴリズムの網羅的な把握には、この問題集が役に立ちます。
勉強方法
① 「科目A」対策のテキストを読む
テキストは約500ページでかなりボリュームがありますが、まずは全体を流し読みし、概要をつかむことが大切です。2回目以降は章末問題を活用しながら、3回程度の読み込みを目安にすると理解が深まります。
私は、8週間で3回読み込み、章ごとの構成を把握し、必要なときにすぐ参照できるようにしました。
ストラテジ系・マネジメント系は社会人経験があれば常識的な内容が多く、得点源になりやすい分野です。一方、テクノロジー系は情報セキュリティー分野の出題率が高く、また、「科目B」対策のためにも、重点的に繰り返し学習し、記憶の定着を図りました。分野ごとの特性を意識しながら、段階的に読み進めることで、効率的な理解と得点力の向上につながります。
② 「科目B」対策のテキストを読む
「科目B」対策では、擬似言語やアルゴリズムの理解が求められるため、トレースの手法を習得することが重要です。私は「科目A」対策用のテキストと並行して、「科目B」対策用の教材を活用しました。
インプット量が多くなりがちなので、章ごとに区切って、理解しやすい内容から進めるよう意識しました。特に、処理の流れを紙に書き出すトレース練習は、擬似言語への理解を深めるのに効果的でした。VBA経験があっても、試験特有の擬似言語の構造や条件分岐の考え方には慣れが必要です。
また、「科目B」対策は後回しにしがちですが、早めに取り組むことで、理解の定着と演習時間の確保につながります。
③ 「科目A」対策の過去問を解く
基本情報技術者試験対策として、過去問演習は非常に効果的です。特に「過去問道場」は無料で使える定番サイトで、スマホやPCから手軽にアクセスできるため、スキマ時間の活用に最適です。
私はテキストの読み込みと並行して、項目ごとに過去問を解き、理解度を確認しながら学習を進めました。また、最新の出題傾向を把握するために、直近5年分に絞って集中的に解く方法もおすすめです。
過去問道場では分野別・年度別に問題を選べるため、自分の弱点を効率よく補強できます。繰り返し解くことで、出題パターンに慣れ、試験本番でも落ち着いて対応できる力が身につきます。テキストと過去問を組み合わせた学習は、理解と定着の両面で効果が高く、合格への近道となるでしょう。
④ 「科目B」対策の過去問を解く
「科目B」対策では、過去問演習が非常に重要です。実際の試験では、1問あたり約5分で解答する必要があるため、時間を意識したトレーニングが欠かせません。私は過去問を解く際、必ずタイマーを使って制限時間内に解く練習をしました。繰り返し演習することで、問題文の読み方や設問の意図を素早く掴む力が身につきました。
また、解いた後は必ず解説を読み、処理の流れや選択肢の根拠を確認するようにしました。特に擬似言語やアルゴリズムの問題は、トレース力と構造理解が問われるため、間違えた問題は紙に書き出して再トレースすることで理解が深まりました。過去問は出題傾向を掴むだけでなく、時間感覚と解答精度を鍛える実践演習として活用するのが効果的です。
勉強時間
私の勉強時間は約12週間で、総学習時間は約120時間でした。
社会人として働きながらの学習だったため、限られた時間をどう活用するかがポイントでした。
平日は通勤時間を活用してスマホで過去問を解き、1日1時間ほどのペースで継続。週末はテキストの読み込みや章末問題の復習に集中し、1日4時間ほど確保しました。これで、週に約10時間。これを8週で、約80時間となります。
最後の1ヶ月は、平日は「科目A」の過去問を、週末は「科目B」の過去問に集中して、合わせて12週で約120時間の学習時間となりました。
過去問と出題傾向
基本情報技術者試験では、過去問と似た形式の問題が多く出題されるため、過去問演習が非常に有効です。問題文に引っ掛け問題は少なく、素直な設問が中心です。特にテクノロジーやマネジメント分野では、基本的な知識や常識的な理解が問われることが多く、丁寧に読み進めれば正答できる内容がほとんどです。
過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や頻出テーマが自然と身につき、合格ラインに近づけます。取りこぼしを防ぐためにも、広く浅く知識を網羅する意識が重要です。
資格取得のメリット・デメリット
メリット
ITリテラシーの体系的理解
実務で使っていたExcelやVBAの背景知識がクリアになり、セキュリティや業務改善の視点が広がる。
ITパスポート試験では、単なる技術知識だけでなく、企業活動や経営戦略におけるITの役割まで幅広く学ぶことができます。
実務でExcelやVBAを使っていた際には、「業務効率化」や「自動化」にフォーカスしていたかもしれませんが、試験勉強を通じてそれらが情報システム全体の中でどう位置づけられるか、セキュリティや内部統制とどう関係するかといった視点が得られます。
実践力の向上
午後試験で実践力が鍛えられる
午後試験では、擬似言語・アルゴリズム・設計問題など、実務に近い内容が出題されるため、論理的思考力と読解力が大きく鍛えられます。特に擬似言語のトレース問題では、処理の流れを正確に把握する力が求められ、VBA経験者でも新たな視点でプログラム構造を理解する機会になります。また、設計問題では要件の読み取りや仕様の整理力が問われるため、業務改善やシステム導入に関わる際の実践力が身につきます。午後試験の学習を通じて、単なる知識習得にとどまらず、実務に活かせるITスキルの底上げが期待できます。
キャリアの信頼性向上
非IT職でも「ITに強い人材」として評価されやすくなり、就職や転職時にアピールできる。
基本情報技術者試験の合格は、単なる資格取得にとどまらず、「ITの基礎を理解している」という客観的な証明になります。
非IT職であっても、業務改善や情報管理、セキュリティ意識などに関する知識を持っていることが伝わり、社内外で「ITに強い人材」としての信頼が高まります。
デメリット
試験対策に時間がかかる
出題範囲が広いため、暗記だけでは対応できないため、理解力が求められる。
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中でも基礎的な位置づけですが、出題範囲は非常に広く、単なる暗記では対応しきれません。
ストラテジ(経営・法務)、マネジメント(プロジェクト・サービス)、テクノロジ(ネットワーク・セキュリティ・データベース)といった分野が網羅されており、用語の意味だけでなく、その背景や関連性まで理解する必要があります。
ただし、体系的に学べる分、実務とのつながりが見えてくる楽しさもあります。VBA経験者なら「なるほど、こういう仕組みだったのか」と腑に落ちる場面が多く、学習意欲も維持しやすいでしょう。
午後試験の難易度が高い
VBA経験だけでは不十分で、擬似言語やアルゴリズムに慣れていないと、時間内に解き切るのが難しい。
午後試験は、擬似言語やアルゴリズムの理解が求められるため、難易度が高く感じる受験者が多いです。特に、VBA経験がある方でも、試験特有の構文や処理の流れには慣れが必要で、初見では戸惑うこともあります。問題文が長く、1問あたりの制限時間も短いため、読解力とトレース力を鍛えることが重要です。社会人の場合は、平均して100〜150時間の学習時間が必要とされており、限られた時間の中で計画的に学習を進める工夫が求められます。早めの対策が合格への鍵です。
まとめ
基本情報技術者試験は、単なる資格取得ではなく「ITの基礎+実践力を体系的に身につける」絶好の機会です。
実務でExcel VBAを使っている方や、非IT職でも業務改善に関心がある方にとって、ITの仕組みや背景を深く理解するためのステップアップに最適です。
3か月で合格できたのは、計画的な学習と、VBAなどの実務経験をうまくリンクさせたからこそ。特に午後試験では、擬似言語やアルゴリズムの理解が求められるため、論理的思考力を鍛える良い機会になりました。
非IT職でも、体系的なIT知識を身につけることで、業務改善の視野が広がり、キャリアの信頼性も高まります。自分のペースで着実に学び、次のステージへ進んでいきましょう。
