この記事では、発注量の計算式を解説します。
発注量は、在庫量の適正水準を維持するうえで、重要な指標となります。
ただし、運用に用いるには注意点もありますので、併せて確認していきます。
在庫量設定
発注量とは
発注量とは、在庫量を維持するための調達量のことです。
在庫量は、上図の様に調達期間(発注リードタイム)中の出庫量により、下振れします。発注量が少なく感じますが、これは、調達期間中に出庫量が0になった場合に、最大在庫量を超えないようにするためです。
在庫量は発注により、最大在庫量に戻すのでは無く、適正水準を維持するという意識を持ちましょう。
発注量の計算式
1.基準統計量
①最大在庫量 = 計算値
②現在在庫量 = データ
③発注残 = データ
2.計算式
発注量 = 最大在庫量 − 現在在庫量 − 発注残
詳細
最大在庫量は事前に計算されているので、現在在庫量と発注残数を取得できれば発注量の計算はできます。
最大在庫の求め方については、下記の記事で解説しています。
また、発注点・最大在庫の計算式から、
発注点 = ( 平均出庫量 × 調達期間 ) + 安全在庫
最大在庫量 = ( 平均出庫量 × 発注間隔 ) + 発注点
下記のようにあらわせます。
発注量 = ( 平均出庫量 × ( 発注間隔 + 調達期間 )) + 安全在庫 − 現在在庫量 − 発注残
注意点
不定量発注では、発注単位の制約があります。そこで、発注量の計算式を下記の通り補正します。
RoundDown( 発注量 ÷ 発注単位 ) × 発注単位
発注単位が大きくなると、発注タイミングが遅くなることがあるので、最大在庫量を上げたり、発注点を下げたりして調整しましょう。目安は発注点到達時に、計算式で発注量が発注単位の1単位以上になることです。
ここで分かる通り、発注単位はなるべく小さく設定するのがいいでしょう。
ただし、供給元の製作ロットや購入単価等の制約もあるので調整が必要となるでしょう。
在庫量設定まとめ
在庫量設定の各計算方法が分かったところで、下記ポイントを参考に、実際に在庫量を計算してみましょう。
次回からは、ロケーション管理について解説します。
まずは倉庫管理から解説します。
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参考書籍です